

内定を出したのに、「辞退します」という連絡が届く。新卒採用に取り組む企業の多くが、一度は経験する悩みです。選考にかけた時間や費用が無駄になるだけでなく、採用計画そのものが狂ってしまうこともあります。
この記事では、新卒採用の内定辞退を防ぐための考え方と具体策を、選考から内定後のフォローまでの流れに沿って、Q&A形式で整理します。
辞退の理由は学生ごとに異なりますが、主に次のようなものがあります。
つまり、辞退の多くは内定を出した後に突然起こるのではなく、選考の段階から少しずつ積み重なった結果として表れます。
最初に確認したいのは、「どの段階で、どのくらいの学生が離れているか」という数字です。内定承諾率だけでなく、選考途中の辞退や、内定後の連絡が途絶える学生の人数も合わせて記録します。
あわせて、辞退した学生に、可能な範囲で理由を聞いてみましょう。短いアンケートや、担当者からの一言の質問でも構いません。辞退の理由を言葉で集めることが、施策を決める出発点になります。
内定辞退を防ぐ取り組みは、選考中から始まっています。
選考は、会社が学生を評価する場であると同時に、学生が会社を評価する場でもあります。面接官の印象が、そのまま会社の印象になる点を意識してください。

内定通知のタイミングと伝え方も重要です。
評価した理由を丁寧に伝えることが、「この会社は自分を見てくれている」という信頼につながります。
内定後は、学生が最も迷いやすい時期です。フォローの方法を整理しておきます。
| 方法 | 内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 個別面談 | 人事や配属先の先輩社員が、定期的に話す | 不安や疑問をその場で解消できる |
| 職場見学・オフィス訪問 | 実際の職場の雰囲気を見てもらう | 入社後のイメージが具体的になる |
| 内定者交流会 | 同期となる仲間と顔を合わせる | 「一緒に働きたい」という気持ちが育つ |
| 情報提供 | 研修内容、配属の考え方、入社までの予定を共有する | 入社までの見通しが立ち、不安が減る |
すべてを実施する必要はありません。自社の人員や学生の人数に合わせて、無理なく続けられる方法を選びましょう。
頻度に決まりはありませんが、「内容のある連絡を、適切な間隔で」が基本です。連絡が少なすぎると、学生は放置されていると感じます。反対に、頻繁すぎると負担になります。
たとえば、内定後は2週間に1回程度を目安に、近況の確認や、会社からのお知らせを届けるとよいでしょう。連絡の目的を明確にし、「返信を求めるもの」と「情報共有のみのもの」を分けると、学生の負担が減ります。
必要な場合があります。就職先の決定には、家族の意見が影響することも少なくありません。企業の概要や、事業の安定性、働き方が分かる資料を、家族にも見せやすい形で用意しておくと、安心感につながります。
個人情報の取り扱いには配慮しながら、学生から相談があったときには、丁寧に説明できる準備をしておきましょう。
辞退の連絡を受けたときも、誠実に対応することが大切です。引き止めを強く行うよりも、学生の決断を尊重し、感謝を伝えましょう。その学生が将来、取引先や顧客になる可能性もあります。
また、可能であれば辞退の理由を尋ねます。答えたくない学生には無理に聞かず、答えてくれた内容は、次年度の改善に役立てます。

学生が就職先を選ぶ基準は人によって異なりますが、一般的には次のような点が挙げられます。
大切なのは、一般的な傾向だけで判断せず、目の前の学生が何を重視しているかを、面談や会話の中で聞き取ることです。重視する点に合わせて、伝える情報を変えるだけでも、納得感は大きく変わります。
良かれと思って行った施策が、学生の負担になることがあります。代表的な例を挙げます。
内定者フォローの目的は、学生を縛ることではなく、納得して入社を決めてもらうことです。学生の都合や気持ちを尊重する姿勢が、結果として辞退の防止にもつながります。
オンライン選考は、移動の負担が少なく、遠方の学生にも会いやすい反面、会社の雰囲気が伝わりにくいという課題があります。次のような工夫が有効です。
画面越しでも、人と人とのやりとりの温度感を意識することが、辞退を減らすポイントです。
内定辞退率は、一般的に次の式で計算します。
| 指標 | 計算のしかた | 見るポイント |
|---|---|---|
| 内定辞退率 | 辞退した人数 ÷ 内定を出した人数 | 前年度や、時期ごとの変化 |
| 内定承諾率 | 承諾した人数 ÷ 内定を出した人数 | 辞退率と合わせて確認する |
| 選考途中の辞退率 | 選考中に辞退した人数 ÷ 選考に進んだ人数 | どの選考段階で多いか |
他社の数字と比べるよりも、自社の過去の数字と比べて、どう変化しているかを見るほうが、施策の効果を確認しやすくなります。人数が少ない場合は、1人の違いで率が大きく動くため、人数もあわせて確認しましょう。
知名度や待遇で大手と競うのは難しくても、中小企業やベンチャー企業ならではの強みがあります。
こうした強みを、具体的なエピソードや社員の声で伝えることが大切です。「風通しが良い」といった抽象的な言葉ではなく、実際の事例を交えて伝えましょう。
施策は、時期ごとに整理しておくと、抜け漏れを防げます。
| 時期 | 主な施策 | ねらい |
|---|---|---|
| エントリー〜説明会 | 早い返信、リマインド連絡、働くイメージが持てる説明 | 最初の印象を良くし、参加につなげる |
| 選考中 | 面接官の姿勢の統一、結果連絡のスピード、座談会 | 志望度を維持し、疑問を解消する |
| 内定直後 | 評価理由の共有、個別面談、承諾期限の配慮 | 納得感を高め、信頼を築く |
| 内定〜入社前 | 交流会、情報提供、職場見学、定期的な連絡 | 不安を解消し、入社意欲を保つ |
辞退を完全に予測することはできませんが、次のようなサインが見られたら、早めに声をかけるきっかけになります。
こうした変化に気付いたら、責めるのではなく、「何か不安なことはありませんか」と寄り添う姿勢で話を聞きましょう。その場で解決できなくても、「気にかけてもらっている」と感じてもらえること自体が、信頼につながります。
担当者が複数の学生を同時に担当している場合は、学生ごとの状況を一覧で管理し、最後に連絡した日付と内容を記録しておくと、連絡が途切れる学生を見落としにくくなります。
施策を実施したら、必ず振り返りを行います。次の3つの観点で整理すると、次年度に活かしやすくなります。
うまく進まなかった施策も記録しておくと、同じことを繰り返さずに済みます。小さな改善を毎年積み重ねることが、辞退を減らす最も確実な方法です。
採用担当者だけでなく、面接官や配属先の社員も含めた体制づくりが重要です。
担当者が少ない場合は、連絡対応や日程調整などの定型業務を、仕組み化したり外部に任せたりして、学生と向き合う時間を確保する方法もあります。
株式会社Hitotechnologyでは、内定後の辞退を減らす施策を含めて、新卒採用の課題に合わせたご支援をしています。説明会の動員、面談・選考の代行、内定者フォローの設計など、必要な部分だけを選んでご依頼いただくことも可能です。サービスの詳細は、新卒採用支援のページをご覧ください。
内定後の辞退を減らすには、選考中から内定後まで、学生との接点を丁寧に設計することが大切です。内定者フォローは、貴社と学生に合わせてカスタマイズすることが欠かせません。説明会の動員、面談・選考の代行、内定者フォローの設計など、必要な部分だけを選んでご依頼いただくことも可能です。
Hitotechnologyでは、次の3つの手法を、貴社の課題に合わせて組み合わせて設計します。
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この記事のポイント
内定辞退でお悩みの方は、現状の整理からお気軽にご相談ください。